スーダンの学校事情の巻
スーダンの学校は、日本の小・中学校にあたる8年間の「初等学校」と、日本の高校にあたる3年間の「中等学校」があります。
初等学校までは義務教育だけれど、中等学校は任意です。
成績の良い子やお金に余裕があるこどもしか行くことができません。
初等学校の就学率は約70%。
学校に行けない子は、ゴミを漁ったり、物乞いをしたり、一日中お菓子や生活用品を売ったり、車の窓ふきをしたり、靴磨きをしたり、とにかくあらゆる手段を使ってお金を調達し、一日一日を必死に生きています。
ある日、物乞いをしている子に、「学校へ行っているの?」と聞いてみたところ、「行っている」と。
それでも生活のために学校が終わった後は着替えてこうして過ごしていると言う。
またある時は、こどもに物乞いをさせてお金をもらうと、すぐにお母さんに渡している姿も見かけました。
経済状況が悪くなっている中、スーダンの人達にとってお金はとても重要です。
物乞いのこども達をみると、とても胸が痛くて何かを渡したくなりますが、私は思うところがあるので、お金を渡したことはありません。
学校に行けているこども達は、「教育」という資源があるので恵まれているとつくづく思います。
クラスは、どこの学校に行っても1学年1クラス。
イスラム教のため、基本男女別々の校舎で勉強します。
公立の初等学校の制服は緑色、中等学校は青色、私立はいろいろな制服があって、髪を隠す巻物も巻かなくても注意されることはなく、自由な雰囲気があります。
先生の数は、こどもの数に比べて少なく、約500人の学校で約15人。
1クラスに約60~70人が普通なので、先生の大変さは計り知れないと思います…。
時間割はあってないようなもので、1授業何分と、きっちりと決まっていない様子。
それでも、活動的で意欲的なこどもを見ていると、とても将来性を感じます。
学校に巡回できる機会も多くなってきて、手洗い指導や歯磨き指導などの保健指導をしていますが、
私のつたないアラビア語も真剣に聞いてくれ、頷いてくれるこども達をみると、
今すぐに実践に生かせなくても、いつか私のことを思い出して
「手を洗え、歯を磨けって言ってたな…」とその子の人生に登場できたら、それが成果かなと思います。
色々と保健的に学校施設や教育内容を見ていると思うところはあるけれど、将来性があるからこそより良くしていきたいと思います。
※ 学校の脇でジュースを売る売り子の女性 inワドメダニ